背番号6、最後の青春
弱いところを見せたくないと、そうやってそんな小さなことで意地を張って。
そんなんじゃいつか痛みよりも傷みでやられちゃうだろうに。
ひたすら押さえ込んだ自分の心の傷みに苦しくなっちゃうだろうに。
だけど、そうは言ってもきっと弘也は本当は大丈夫だからと笑って済ますのだろう。
何より、あまり隠さないようにと自分の意見を押し付けると、弘也が頼ってくれなくなる。
それこそ、弘也がダメになってしまう。
…それに、隠したい気持ちもわからなくもない気はする。弘也、人気者だし。
おちゃらけキャラで面白くて盛り上げ役の弘也が怪我したなんて、絶対騒がれるから。
「…でもさ、弘也。気になったんだけど、どうしてそこまでして隠そうとすんの?」
不意に疑問に思ってそう投げかけると、弘也も「あー、」と言って笑った。
少しだけ、困ったようにも見える笑み。