背番号6、最後の青春



「…本当のこと言ったら、足痛いから病院行ったことバレることになるんだぞ。

菜乃ちゃんだから言いふらしたりはしないけど、診察結果だとか聞かれるだろうし。

多分だけど、部活を休むことをすすめてくるとは思うよ」

ただなんとなくで菜乃ちゃんを好きでいるわけではない。

菜乃ちゃんの性格はそれなりに知ってるし、良いところも嫌なところも、人並みには分かっているつもりだ。

菜乃ちゃんなら、俺や弘也みたいな中学からの知り合いには必ずと言っていいほどお世話を焼いてくれる。

だから、いざという時にいろいろ任せやすいから楽だけど、

弘也みたいに足が痛いけど部活には出たい、みたいな人からしたら敵だろう。

多分、ひたすら休むことをすすめてくるし、定期的に調子を聞きに来るはず。

そういうところ、他の人からしてみれば心配してくれる良い子なんだけど、本人からしたら少しやりすぎな時もある。

…まあ、俺はそういうところも含めて好きなんだけど。

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