背番号6、最後の青春



俺が熱く語ってやると、弘也はそういえばそうだと納得してくれた。

そうして小さな声で、「ありがとう」と言った。俺はそれに、ニッと笑って返した。


それからは全く話を変えて、適当なことを話しながら教室へと向かった。

弘也と別れて入る教室は、まだ慣れない空気が漂っていた。

去年とクラスが違うだけで、まるで入学当時にでも戻った気分だ。

同じ学校出身の子や、入試のときなどに偶然会って仲良くなった子などと固まった1年生の4月が懐かしい。

今は、去年同じクラスだった子と固まってる人が多いようだが。


クラスに全く友だちがいないわけではないが、グループなどは作らない。

そのためか放課などはどちらかというと1人になることの方が多いし、授業も楽しかったりつまらなかったり。

なんだか、部活をやりに学校に来ているみたいだなんて。

まあ、中学の頃もそんな感じだったんだけどね。

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