背番号6、最後の青春



いつも通り授業を終えて、さっさと準備をして早めに弘也の教室に行く。

教室から出てくる弘也はいかにも自然を装っている。

けれど、俺しか分からないのかもしれないが、明らかに足を引きずっているようだ。

それから俺の横に並んで歩き出す弘也に合わせて、俺もゆっくりと歩く。

その気遣いを弘也はあまり良く思っていないようにも見えるが、そんなに気にしていないようだ。

いつものようにあまり人のいない部室でさっさと着替えて、弘也と外に行く。

どうやら今日は相当遅くに来てしまったらしく、外に出てすぐに挨拶のための収集の声がかかった。


練習中、たまに弘也のことを気にかけているが、前ほど集中できなくはない。

ただ、やはり痛い足を無理やり動かし引きずる弘也が気がかりではあった。

気になり声をかけても、大丈夫だとしか答えてくれないが。


…あれ?弘也、ちゃんと走れて…ない?


足を引きずる弘也の動きは鈍くて、いつもよりも走れていないようだった。

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