背番号6、最後の青春
だけど俺は大きく首を縦に振って、陸空先輩の言葉に賛同した。
先輩は少し首を傾げていたが、納得した様子で、
「なるほど、軽い熱中症な…。確かに水分補給はしっかりしないとな」
ウンウンと頷きながらそんなことを言っていた。どうやらうまく騙せたらしい。
少し周りの人からは不満がうかがえるが、そんなの気にしていたら負けだ。
「ほら、とりあえずゲーム再開するぞ」
パンパンと手を叩いた陸空先輩の指示でゲームを再開した。
狭いコートで5対5で行う小さなゲームだが、なかなか点が入らないしおもしろい。
たまに、ボールが外に出たタイミングで弘也を気にかけるが、
日陰の方でマネたちの持ってきてくれた水を飲みながら休んでいるようだった。
…肩で息をしているようだ。汗もすごいかいているし顔が心なしか赤い気がする。