背番号6、最後の青春
触れて、いけなかったのだろうか。その痛みには触れてはいけなかったのだろうか。
俺から目をそらした弘也は、今度は笑顔で俺と目を合わせると、
「真矢、やっぱすげえわ。よく分かったな」
肩を軽く抑えながら、そんなことを言ってあははと笑った。
さすが親友と言った声が、小さく震えていたから、そうだろうとは言えなかった。
「なんで肩なんか痛めたんだよ」
尋ねてもきっと弘也は誤魔化すと分かっていたけれど一応尋ねる。
やはり、というべきか、弘也は首を傾げながら、「さあな」と言ってのけた。
…というか、もしかしたら本当に分かってないのかもしれない。
心当たりはあるように見えるが、確信してはないようだ。
「んー、乱暴した覚えはねえんだけどな…」
そう言って肩をグルグルと回す弘也に、そうかと言って俺も荷物を持つ。
早くしなければ、みんなを待たせているだろうから、きっと怒られてしまう。