背番号6、最後の青春
電気を消して部室を出て、それから任せられたとおりに部室から出る。
さてみんながいる場所に向かおうかと進行方向を向いたとき、鍵掛けに苦戦している陸空先輩に出会った。
「うわっ、2人に負けた!ごめん、真矢、鍵かけるの任せてもいい?」
手を合わせてお願いしてくる陸空先輩から鍵を受け取り、慣れた手つきで鍵をかう。
「さっすが真矢!全然鍵かえなくて困ってたから助かった!」
そんなことを言って、俺らの部室分の鍵を受け取る陸空先輩に、俺はそっと問いかけた。
「嘘、ですよね」
陸空先輩はどうやら嘘をつくのが苦手らしかった。
分かりやすい嘘に俺が突っ込むと、陸空先輩は驚いてからえへへと笑った。
「弘也が心配だったもんでな!おい弘也、荷物持とうか?」
そう言って手を伸ばした陸空先輩に、弘也は遠慮していたが、結局盗まれるようにして体操服を預けた。