六芒星の記憶
その日から始まったジュリアとイヨの練習が始まった。
「ジュリアちゃんはすでに踊れてるから、最初は端折るとまずは細かい動きかなー。」
「細かい動き…ですか?」
「そう!時々でるのよね、大雑把な感じが。そこ直せると良いんだけどねー。」
ジュリアが踊れるのは、過去の記憶が身体に染み付いているから。
でも若いジュリアの過去の記憶の中にある踊りはまだ完成されていないのだろう。
それから1週間、イヨは手足の使い方や柔軟な動きといった細かい動きをジュリアに徹底的に教えた。
1週間後---
飲み込みの速いジュリアは、最初こそ難航したが、すぐに自分のものとし踊れるようになっていた。
「うん、大分よくなってるわ。これならお客さんに文句なしで見せられるかなー。」
「イヨさんのおかげです。ありがとうございます。」
ジュリアがお礼を言いおわると、イヨはジュリアに踊り子の衣装を渡した。
「絶対似合うわ、ジュリアちゃん」
その衣装はジュリアの金色の髪色にも合うような上品な勿忘草色。
それに似合う花の髪飾りもある。
「大切にします!イヨさんー」
ジュリアは貰った衣装を抱きしめながら柔らかい笑顔を浮かべる。