六芒星の記憶
イヨは、初めて心からのジュリアの笑顔を見て胸が暖かくなる。
ガチャ
「婆さん、そろそろ店開けるぞー。ジュリアちゃん頑張ろうねー。」
2人がいる練習の部屋にヨルがやってきて、そういったため、ジュリアは緊張してきた。
ーーーー上手くできるかな…。
「さ!着替えておいで、ジュリアちゃん!緊張をお客さんに伝えてはダメだからね、頑張ろうね。」
イヨはジュリアの緊張を感じとっていたらしい。
若干表情の暗いジュリアに明るく諭す。
「笑顔、ですよね。笑顔、笑顔。」
ジュリアは自分に言い聞かせるように何度も呟く。
ーーなんだか少し緊張が取れた気がするな。
緊張がとれたジュリアは自室に戻り、衣装に着替えた。
イヨの見立て通り、それはジュリアによく似合っていた。
ジュリアは準備が終わり、店の外へと出た。
鮮やかな黄緑色の膝までの長さの衣装は、ジュリアの金色の髪と共に、太陽の光を浴びてキラキラと輝いている。
その姿をみてその場にいた人たちは言葉を失った。
ーーー今までにこんなに美しいものは見たことない と。