六芒星の記憶
「お!可愛いぞ!ジュリアちゃんー。」
店の外でギターの準備をしていたヨルがジュリアに気づいて声をかける。
「ヨルさん!」
そう言ってヨルに駆け寄る。
そのそばには、バンドメンバーである3人のおじいさんたちもいる。
ヨルはジュリアに3人を順に紹介していった。
ベーシストのルーは丸眼鏡が似合っていて身長が高く、物静かなおじいさん。
ピアニストのオスラは、白髪頭が特徴的な上品な雰囲気漂うおじいさん。
パーカッションのマカオはヨルに似たような雰囲気がある陽気なおじいさん。
そこにもちろんギタリストであるヨルを含めたこの4人がメンバーだ。
「ジュリアと言います。今日からよろしくお願いします!」
といって丁寧にお辞儀をする。
「こんな可愛い子に踊ってもらえるなんてわしは幸せじゃよ〜。」
と言うのはマカオだ。
「楽にたのしく踊っていいよ。頑張ろうね、ジュリアちゃん。」
と言ったオスラにルーも頷いて優しく微笑んでいる。
「後10分くらいでやろうと思うんじゃが、今日はジュリアちゃん初お披露目じゃし、明るい曲のピカデリーにしようかと思うんじゃが、いいかの?」
と聞いてきているヨルにジュリアは自分のことを想ってくれていることを感じてなんだか嬉しくなっていた。
「ピカデリー!わたし大好きです!頑張りますね!!」
「よし!決まりじゃー!いつもより気合入れてやっちゃろー。 」
ジュリアの言葉にマカオが続けて陽気に言っている。
そこにすぐさま冷静なルーが、
「歳を考えるんじゃよ、マカオ。またぎっくり腰なんぞになるぞ。」
と間髪入れずに言ったため、マカオは少し"しゅん"となり、その他のみんなはそんなマカオを見て笑いが止まらなかった。