六芒星の記憶

SIDE JULIA




わたしは今日、旅のための準備をするためにお店を休み町にくりだすことにした。



もちろん自分で稼いだお金を持ってね!



「行ってきます!」



「「行ってらっしゃい」」




イヨさんとヨルさんに挨拶をして店を出る。



もう少しで2人とも別れだと思うと悲しくなるけど…




だけど、記憶を取り戻すためにはずっとここにはいられない。



出てきてしまった悲しい気持ちを押し込んで旅のことだけ考えよう。




えっと…必要な物は、食料とナイフとマントと…




頭の中で考えるだけでもかなり揃えなければいけないみたいだけど、必要最低限に抑えたい。




お金は無限にあるわけないし、踊り子としてやっていてもどうしてもお金がかかってしまうから。



そんなことを考えながらわたしは旅用具のお店に到着した。




まずはマントかな。



基本野宿のつもりだし、寒さしのぎとかブランケット代わりにするつもり。



色は…カーキにしよう!




値段もそれほど高くないし、とりあえずマントはきまったかな。



あとは、ナイフ。



食材を切ったりとか色々使えるよね。



「あ、ジュリアちゃんじゃないか!」



「こんにちは!フィンさん!」



声をかけてきてくれたのは、この旅用具店を営むフィンさん。



大きなお腹が特徴的な可愛いなおじさまです!



「そうか、もう旅準備するんじゃな。」



「はい…。」



フィンさんはイヨさんとヨルさんのお店の常連客。



わたしの事情も知ってるんだ。




「ジュリアちゃんは可愛いからなー。おじさんは心配だよ!!」



若干しんみりしそうになった雰囲気をフィンさんが壊してくれた。



「可愛くないですよ、フィンさん。でも、ありがとうございます(笑 」




「近頃は盗賊もいるらしいからなあ。よし!護身用に短剣持ってけ!」




どれがいい?と言ってたくさんの短剣が出てきた。



…どれがいいんだろ。




刃の長さもいろいろあるし、悩む…!




「剣はな、少し値がはってても自分に合うものを選ぶことが大切だぞー!」



わー…!!



もっと悩んじゃう…(笑



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