六芒星の記憶
「そういや、自己紹介してなかったな、お嬢ちゃん!わしはヨルじゃ。この店のオーナー兼ギタリストじゃ!」
ーーそういえば、名前知らなかった…。
「ギタリストなんてかっこいいものじゃないからね、このひとは。私はね、イヨっていうんだ。よろしくね。」
「よろしくお願いします。私はジュリアと言います。」
ジュリアは丁寧にお辞儀をしながら名前を伝えた。
「本当、べっぴんさんだねぇ。こんなに可愛い子見たことないよ。天使さまみたいだ。」
「本当になぁ。いいのかい?こんなとこで働いても。今更なんだが…。」
ジュリアを褒めたイヨの後にヨルが少し悪そうに頭をかきながら言う。
「こんなところだなんて!とても素敵なところです!私なんかが働いても良いのかと気が引けてしまうくらいです!」
「よっしゃ!そこまで言ってくれるなら、お願いしよう!いいじゃろ、ばあさん!」
イヨは嬉しそうに微笑んで"もちろんだ"とジュリアに伝えた。