六芒星の記憶



そして次の日から働き始めたジュリア。


最初は失敗することもあったが、1週間後にはスムーズに仕事をすることができるようになっていた。


あらかじめイヨとヨルに記憶の話をした時に、ジュリアはお金を貯めて旅に出るということを伝えていたため2人は頑張っている彼女のために十分すぎるくらいのお給料をあげた。




そして働きはじめて1ヶ月後のことーー


イヨは新たな仕事の提案をジュリアにした。


「ジュリアちゃん、そろそろ始めようかね。」


「はじめる…?」

ーーーー何を…?


「踊り子の練習だよ、即興であんなに踊れるんだもの磨かないとね。」


実はイヨはジュリアとこれをするのが楽しみだったりしたのだ。


「このばあさんもね、20歳くらいの時踊り子だったのさ。」


イヨは今60歳のため、40年前ということになる。

「そうだったんですか!?」


これでも人気だったのさーと言いながらイヨはお店の奥にある1つの部屋にジュリアを連れてきた。

「ここなら、練習できると思ってね、ちょっと狭いけど我慢してね。」


「我慢だなんて!本当にありがたいです!!よろしくお願いします!」


その部屋には、ヨルが使っているギターや様々な楽器が置かれていた。


イヨは狭いといっていたが、踊るには十分な広さがある。





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