お前が居なきゃダメなんだ!!
呪い?の始まり
俺の名前は実話のため(仮名)として作者名同様海絶(ウタ)とさせてもらいます。


1993年4月。
宮城県仙台市の某中学校の中学校入学。正確には入学前の仮登校から始まった。

俺が通ってた中学校は、当時は三つの小学校より集まった市立の中学校で、中学校入学の際にはまったく知らなかった人と出会う人と多かったため、どんな同級生と出会えるかという楽しみと、新しい出会いに不安すらもあった。

入学前に仮登校というものがあって、自分のクラスの初顔合わせなどをする日があった。

自分の同学年のクラスの数は全部で9クラス。1クラス30人そこらだった。

俺は1年2組だった。
同じ小学校から一緒だった面子といえば小学校でも別くクラスで1度も喋ったことのないような人が3~4人いたくらいで、言ってしまえば誰1人絡みがないクラスになったためもの凄く緊張した記憶がある。

俺の性格と言えば活発とも言えず、かといって常にひきこもるタイプでもなかったけど、基本的には友達とも呼べる人も特に居なく、ざっくりいえばパッとはしない男の子だった。

クラスに入り、名前順だったかな?
席順が決まっており、担任が来るまで自分の席に座り、前後に座ってた人と挨拶しつつ「どこの小学校だった?」みたいな会話をして、少しでも緊張を和ませるように頑張ってた記憶がある。

きっと周りの人もそんな気持ちだったに違いない。
少し喋っただけであっという間に打ち解けられた気になって緊張が解け、ヘラヘラしてたっけ。

しばらくすると担任となる人来て、その人は当時26歳くらいの武先生(仮名)という男性で文系風で見た目は誰もがカッコよく優しそうなタイプであろう先生が自己紹介をしてくれた。
そのあとに武先生は「これから一緒のクラスになるんだから1人1人自己紹介をしよう」と、席順通り自己紹介が始まった。

名前。
どこの小学校。
好きな食べ物。嫌いな食べ物。など
のような、一般的な内容の自己紹介だった。

淡々と自己紹介が続き、俺の番になると特に目立ちたいとかって気持ちもなく、むしろは恥ずかしいため、手早く答えて、あとは無関心と言えるくらい他の人の自己紹介もろくに聞かず、早く帰りたい衝動にまでなってた。

クラスメートの自己紹介も最後の方になってきた時にそれまで無関心だった俺の耳に、ある人物の声が聞こえてきたんだ。

「私の好きな女優はオードリー・ヘップバーンです!」

オードリー・ヘップバーン。
『ローマの休日』『ティファニーで朝食を』など、クラシックとはいえ名作中の名作の主演女優で、きっと俺の世代とはいえ、オードリー・ヘップバーンを名前こそ知ってる人はいても、自己紹介で好きな女優はオードリー・ヘップバーンなんて答える人なんて答える人は実際かなり少ないと思う。そのことでも衝撃だったけど、俺自身、スポーツとか文学など当時はあまり興味はなかったとはいえ、映画は大好きで、誰かに言ったことはなかったが、オードリー・ヘップバーンは俺も大好き女優だったため、二十の衝撃だったんだ。

そう。
俺はその瞬間にとてつもない衝撃を受けた。

どんな衝撃かといえば、ありがちで申しわけないけど、まさにカミナリが直撃したような、まさに何が起こった!?というようにさっきまで無関心で自分の世界に入ってたことを忘れるくらい、ビックリしたように斜め後ろを振り返って、自己紹介をしてる女の子を見た。

二十どころの衝撃じゃなかった!
その人物は大袈裟では決してなくそのオードリー・ヘップバーンのように可愛く、清らかなイメージのある人物だった。

気付けば一瞬で俺は恋に落ちたんだ。

その人物の名前は「えり」

2016年7月現在。
丁度20年。
今でもお互いに良い意味で呪いの腐れ縁と言ってるほど仲良くしている、お前との忘れもしない出会いだった。


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