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「設定はこれでいいかな?」部屋に響き渡る透き通った声。画面に映るのは3次元ではあり得ない銀髪の美少女。俺はYesをクリックする。すると、ピピッ、ピー、ウーーン。「ん?」画面が黒くなった。何度電源ボタンを押しても反応はなく、先程まで映っていた銀髪の美少女の姿はなく、そこにはいかにも3次元!っていう見慣れた顔があった。「いやいや!困るって!これからこのゲームのレポート書かなきゃいけないのに!」今日は金曜日。提出日は月曜なのであと2日しかない。
ちなみに俺の名前は高垣 楓。18才で今月入社したばかりの新人。女っぽい名前だけどちゃんとついてる物はついている。俺の働いている会社は「No.Continue」最近できたばかりのゲーム制作会社でその高いグラフィック技術と臨場感溢れるストーリー構成などで世界でも高い評価を得ている。一応高校は卒業した俺だが、この会社は学歴をあまり見ていない。理由は、いくら高学歴だとしても、必ず面白いものを作れるとは限らないからだ。その考え方でも評価を得ている。さて、俺がレポートを書こうとしていたゲームだか、名前は「LOVE & Memory」PCのゲームで、No.Continueが総力を尽くして作り上げたゲームだ。ジャンルは恋愛。俗にいうギャルゲーである、しかもR18禁。ヒロインは8人いるらしい。俺がこのゲームのレポートを任された理由は、R18禁のため、そのままの18才の意見を聞きたいと言うことらしい。俺の教育係の倉敷 京子さんも上の命令というのもあってか渋々許可してくれた。上、つまり、しゃちょーさんとか、かちょーさんとかが絡んでいるので重大な仕事なのだ。しかもこの「LOVE & Memory」の発売日が28日、つまり木曜日だ。今日は22日で提出日が25日の月曜日。とにかく時間がない。パソコンが壊れた今することは一つ。とりあえず京子さんに電話。「えーっと…」俺は電話帳をスクロールして探す。が、ない。そうだよ!俺京子さんの携帯しらねーよっ!心の中で叫びながら俺は渋々会社に行く準備をした。靴を履こうとすると、「ガタンッ」パソコンの置いてある部屋からものが落ちた音がした。「まぁいいや、帰ってきてから拾えば」急いでいたのであまり気に止めなかった。靴を履き、ドアの鍵をしめ俺はラフな格好で会社に向かった。
この時、俺は素直に部屋の様子を確認すべきだった…。
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