朝顔 -生まれ変わっても君を-
そう決めた私は、人影に気づかれないように、ソロリと足を後退させた。


パキッ


「……あ」


私は、小枝を踏んでしまうという、よくある、やばいパターンのやつをやらかしてしまった。


ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ


やっちまった、やっちまったよ!

どうしよう、どうにもならないよ!!


そんなことを思い、人影の方に顔を向ける。

すると、その人影は、こちらに気づいていないのか、全くこちらを見ていない。

私は、ホッと息を吐き出した。

その時……。


私の首に、たらりと落ちるネバネバした液体。

後ろから、生臭い臭いがする。

ハァハァ、という、何かの息遣いが耳元で感じられる。


私は、ゆっくりと後ろへと振り返った。

すると、そこには……


私の頭の上で、こちらを見ながら大きな口を開けている大きな化け物が、そこには居たのだった。


「嘘でしょ……」


私は目を見開いて、“ソレ”を見続ける。

私の頭の上にある口が、だんだんと近づいてくる。
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