朝顔 -生まれ変わっても君を-
バシュッ
そんな音が聞こえた。
すると、目の前の化け物の顔が、半分にずれた。
「……え?」
半分の顔が、地面へボトリと落ちていった。
私は、一体何が起こったのか分からず、頭を混乱させることしか出来ずにいた。
すると、私の隣から、ガサリという物音が聞こえた。
私がそちらに目をやると、そこには、身長の高い男の人が立っていた。
長い髪を風になびかせながら、化け物を切ったのであろう刀を、鞘に収めているところだった。
綺麗な人だった。
いや、人間 -ヒト- なんてものではないだろう。
人間の姿をした何かが、私の隣に立っていた。
整った顔に白い肌。
長い銀髪は、絹のように艷やかだ。
髪の色と似ている着物に、腰にぶら下がっているのは大小の刀。
この人は、一体……。
「怪我はないか」
整った唇から発せられた声は、とても耳に馴染む綺麗な声だった。
そして、なんだか、懐かしい声……。