朝顔 -生まれ変わっても君を-
「おい、怪我はないかと聞いているのだが?」


つい、うっとりと聞き惚れていた私は、ハッと意識を取り戻し、即座に頭を下げた。


「た、助けてくださり、ありがとうございましたっ!わ、私は、怪我なく元気です、ピンピンしてますっ」


私がそう言ったところで、綺麗な人が私に近づいてきた。

そして、何事もなかったかのように、私の体をヒョイッと持ち上げて、霧の中を駆け出した。


「えっ!?あの、すみません!どうして私を連れて、走っているのですか!?おろしてください!」


あまりの速さに、私はあまり、目を開けてすらもいられない。

すると、綺麗な人は言った。


「死んでなかったようだ。追いかけてきている」


俗に言う、お姫様抱っことやらをされている私は、落ちないようにしっかりと首に腕をまわしていた。

そして、チラリと後ろを見てみると、さっき、私の事を食べようとしていた化け物が、勢い良くこちらへ近づいてきていたのだった。


頭を半分なくしても動きまわる様は、正しく化け物。

化け物とか、そんなレベルを超えている。

……気持ち悪い。
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