朝顔 -生まれ変わっても君を-
「速いな」


綺麗な人は、一言、そう呟くと、大きな木の枝に飛び上がった。


「うわっ!!」

「色気のない声だな」


いや、確かにそうですけれどもっ!!


私がそんなことを思っている間も、綺麗な人は、木の枝、木の枝に飛び移りながら移動している。

私は、落ちないように、必死にしがみついていた。


どれくらい経ったのだろうか。

私が目を閉じてしがみついている間に、いつの間にかスピードは穏やかになって、そして、いつの間にか止まっていたのだった。


「着いたぞ」


その言葉の意味がわからなくて、私は、少し間を空けて、ゆっくりと瞼を開いた。

体は、既に地面へと降ろされている。

降ろされた私の体は、へなへなとその場に座り込んでしまった。


そして私の目の前には、一軒の家が建っていたのだった。


「……ここって、家……ですか?」

「あぁ」


デスヨネー


「……って、えぇっ!?」

「なんだ、騒々しい」


私が驚いて声を上げると、綺麗な人は歩き出した。
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