朝顔 -生まれ変わっても君を-
その返事は、真澄って呼んでもいいってことだよね?


迷惑かけてばかりの私を、少しだけ認めてくれたような気がして、ちょっとだけ嬉しく思った。


「じゃあ、えとー……、真澄?」

「なんだ」


私は、私の命を危機に晒した、謎の化け物について聞いてみることにする。


「私のことを食べようとした、あの化け物って、一体何なんですか?」


そもそも、あの化け物に食べられそうにならなければ、私がここに来る必要もなかったし、真澄の手を煩わせる必要もなかったのだ。


「あれは人間-ヒト-を喰う、妖のようなものだな」

「……妖」


私が繰り返してそう言うと、真澄は小さく頷いた。


「妖には、いくつか種類がある。脅かすだけで人間に危害を加えないもの。逆に、さっき見たもののように、人間に危害を加えるものなど、様々なものがいる」


妖なんて見たことのなかった私は、すごく興味津々に聞いていた。


「まぁ、危害を加えるもので、分かりやすいものといえば、鬼だろう」


そう言われた私は、相槌をうった。

妖を見たことのない私でも知っている。

鬼と言えば、なんだか怖い顔をしていて、角が生えている。

大きな牙があって、ボサボサの髪。

そして、なんと言っても、あの虎のしましまパンツ。
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