朝顔 -生まれ変わっても君を-
一通りの説明を聞き終わり、私は、ふと気になった。


「真澄は?」

「何がだ」

「真澄は……、どれなの?」


私がそう聞くと、真澄は妖艶な笑みを口元に浮かべた。

そして……


「私は、今も昔も、ずっと鬼だ」


鬼……。


鬼ということは、つまり……


「安心しろ。お前を食うつもりは一切無い」


そう言い切った真澄を見て、私はホッと胸をなでおろす。


「私は、人間-ヒト-は食わないと、あの時決めたからな」

「あの時?」


私が首を傾げながらそう聞くと、真澄は「なんでもない、気にするな」と、それだけを言った。


「あの、今更なんですけど……。私って、一体、いつになったら帰れるのでしょうか?」


化け物から追いかけられていない今、ハッキリ言って、真澄の家にいる必要は全くない。

夜中に勝手に抜けだしていたこともあり、私は、今すぐにでも帰りたかったのだ。
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