朝顔 -生まれ変わっても君を-
ハッと目を覚ました。


頬には、たくさんの涙の筋ができている。

私は、体を起こしながら、まだ乾ききっていない涙を拭った。


夢でも、見ていたのだろうか?

なんだか、とても切ない感情だけが、そこに残っていた。


昨日は、バーベキューをした後、片付けて、風呂に入って、それから少しして、私は2階へと行き、ぐっすりと眠ってしまった。

車での移動が長くて、きっと体が疲れていたのだろう。


これは、連休を利用しての家族旅行でもあるが、私の17歳の誕生日も兼ねている。

いい具合に、色々重なったのだ。

それで私が、家族旅行に行くなら、「自然に囲まれているところがいい」と言ったことから、場所が決まった。


私は、少しの間、ボーッとしてから、1階に降りた。

木の階段が、私が一歩歩くたびに、ギシリギシリと音がなる。

その音で気がついたのか、朝ごはんの準備をしていた母さんが、「あ、花凛。おはよう。今日は、いつもより早いね」と言った。


その言葉に、私は「目が覚めちゃった」と言う。

すると母さんは、「顔洗ってきなさいよー」と言いうと、再び顔をまな板に向けた。
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