朝顔 -生まれ変わっても君を-
でも、愛した人が、自分の事を庇って死んでしまう。

私がその化け物だったら、きっと、その辛さに耐えられずに、死んでしまうかもしれない。


読み終わった本を閉じて、本の中にいた女と化け物に思いを馳せる。


庇って死んだ女は、どんな気持ちだったんだろう。

愛した人を救えた喜びと、これから、共に在れないことを、悔やんだのだろうか。


逆に、生き残った化け物は、どんな気持ちだったろう。

愛した人が、自分のせいで死んでしまった。

化け物は、女と過ごした幸せだった日々を思い出し、悔やみ、悲しんでいるのだろうか。


物語が終わった後のことなんて、私には、分かりはしない。

しかし、この話故なのか、なんとも言えない切なさが、私の心を支配していた。


そう言えば、最近、どこかで、胸が締め付けられるような感じがしたのを覚えている。


確か……。

あ、そうそう。最近、よく見る夢だ。
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