朝顔 -生まれ変わっても君を-
最近、私はよく夢を見るようになった。

しかも、どれも全部、同じような夢。


内容なんて覚えていない。

だけど、起きた時の切なさと言ったら……。


私は、それを忘れるようにと、頭を振った。

これを考えるのはやめようと、別のことを思い浮かべる。

そう言えば、私が本を読んでいる間、周りがとても静かだった。

私が、下を覗いてみると、誰もいない。


「父さんと母さん、どこへ行ったんだろう?」


そこで私は、朝の会話を思い出す。


「あ、川へ行くとかなんとか言ってたような……」


……なるほど。

置いて行かれたのか、私。


もう、大人二人で川へ行って何をするのよ。

そこはやっぱり、子供がいなくちゃでしょうが。


……まぁ、その子供も、随分大きいんだけれども。
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