私はそれを見るたびに貴方を思い出すでしょう
晴れ渡る空を窓から眺めていると、緑が隣に来て

座っていた私の頭にポンと手を置いた。

「晴れたな、外に行くか。」

私はコクリと頷いた。

「あっ…これ。」

そう言って私は緑にコートを返した。

「あぁ、もう寒くないか?」

「うん、もう大丈夫。」

緑は私からコートを受け取ると、

それを着て外に出た。

外は日が照っていて、ワンピースで丁度いい程だ。

なのに緑はコートを着ている。

「ねぇ、緑。」

「なんだよ。」

「暑くないの?」

「…さぁな?暑いのかもしれない。」

ん?どういうことだろう。

「そんなことより。」

緑はそれ以上聞くなとでも言うように話し始めた。

「透愛は、これからどうするつもりなんだ?」

「どうって…どうすればいい?」

「そうだな…まず住むところを決めないとな。」

緑はそう言って大きな家の前で立ち止まった。

「ここなんかどうだ?広いし冷暖房設備もバッチリだ。」

「え?私1人で暮らすの?」

「ん?当たり前だろ。それとも…」

緑はニヤっと笑ってからかうように言った。

「俺と一緒がいいか?」











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