私はそれを見るたびに貴方を思い出すでしょう
「え…っと…切る切らないは緑が決めるべきだと思うよ。
でも私は、」

「緑の髪、好きだよ。」

最後の一文は、思わず出た言葉だった。

でも、本心じゃない訳でもなかった。

「そうか。」

それだけ言って、緑は再び材料を取り始めた。




「透愛は何が食べたいんだ?」

帰り道、緑が私に尋ねる。

「えっ、作ってくれるの?」

「要らないのか?一通りは作れるぞ。」

と言って緑は私の目を見つめた。

「じゃあ、チャーハンが食べたい。」

気が付いた時には、そう口にしていた。

チャーハンなんて、そんなに好きじゃないのに。

すると緑は、一瞬驚いたような顔をして

「…チャーハンか。
わかった、すっげー美味いの作ってやる。」

そう言って嬉しそうに笑ったのだった。



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