私はそれを見るたびに貴方を思い出すでしょう
翌朝、私が目を覚ますと、緑はもうベッドにいなかった。

「…緑?どこ…?」

部屋から出て、リビングの方に行くと、

「ん、起きたか。透愛おはよう。」

キッチンで朝ごはんを作っていた。

「おはようって…もう大丈夫なの?」

昨日の夜、高熱を出したとは思えないような、すっきりとした顔をしている。

「そんな心配するようなことじゃない。
あれ、毎日だから。」

「そっか、なら大丈夫…って毎日⁉︎」

毎日あんなに体温が高くなっていたら、体がもたないはずだ。

「ここに来た時から、毎晩9時になると急に暑くなるんだ。
まぁ、その分昼間は全く暑さを感じないんだけどな。」

「へぇ…」

もうそれしか言えない。

「透愛は身体どうもないか?
暑いとか寒いとか。」

緑がお皿に焼きたての目玉焼きを盛り付けながら私に聞く。

「うん、私は大丈夫。」

2人で椅子に座って朝ごはんを食べる。

目玉焼きとトーストとサラダ。

食べながら私は、気になっていたことを緑に聞く。

「そういえば、昨日の夜緑が寝てた時、ハキってずっと呼んでたんだけど
ハキって誰?」




< 17 / 38 >

この作品をシェア

pagetop