私はそれを見るたびに貴方を思い出すでしょう
「いいからさっさと正体現せ。
こっちもそんなに暇じゃないんだ。」
緑が少しイライラした様子で言った。
「まぁまぁ、そんなに怒らないでよぅ。
どーせ、わかってるんでしょ?正体なんて。」
私の体で誰かが言った。
ニヤニヤと笑っているのが分かる。
緑は私を見て、顔をしかめた。
「でもさぁ。」
私の中の誰かが言った。
「可哀想だよねぇ〜、透愛ちゃんも。」
天を仰ぎながら、ふと呟くように言う。
「急に知らないところで、知らない男と一緒に過ごさなきゃいけないなんて。
僕なら絶対ごめんだ。」
え…じゃあ、私は一体…
誰なの?
その言葉を聞いた緑は、ハッとした顔をして
「…っ!まさか、お前また!」
「おぉっ!鋭いねぇ〜。
そう、僕が連れてきたんだよ。この前みたいにね。」