私はそれを見るたびに貴方を思い出すでしょう
「分かっているかもしれないけど、
君は元々この世界の人間じゃない。
僕がここに連れてきたんだ。」
ミリィさんは、どこか遠くを見つめながら話し始めた。
「君をここに連れてきたのは、イルマのため。
ここに来るまでの君は、今とは全然違っていた。
笑わず、泣かず、全くといっていいほど表情のない
それはそれは可哀想な人間だったよ。」
表情のない人間…
全く想像がつかない。
「そんなとき、君は亜瑠と出会った。
亜瑠はとても優しい人間でね。
君のことを、とても愛していた。
それと同じくらい、君も亜瑠を愛していた。
そして2人は結婚して、子供を授かった。
君はずっとこの幸せが続けばいいと思っていたが、
神様ってのは意地悪でねぇ。
夫と子供と離れ離れになってしまった。」
そしてミリィさんは私の目を真っ直ぐ見た。
「君の『死』によって。」