私はそれを見るたびに貴方を思い出すでしょう
「あ、そうだ!透愛ちゃん」

ミリィさんが私を呼んだ。

「はい、何ですか?」

「君はもう、昔のことを思い出したの?」

昔のこと…

亜瑠がここにいるっていうのは理解できた。

でも、まだはっきりと思い出せてはいない。

「まだ、全部は思い出してない…です。」

私が申し訳なさそうにそう告げると、

ミリィさんは、笑って言ってくれた。

「焦らなくていいよ、ゆっくりで。
ここには時間なんてないんだから。」

私は少し安心した。

「でも、奇妙だな。
何で俺のことは分かるのに、それ以外は分からないんだ?」

確かに、それは不思議なところだ。

亜留のことは、ネックレスを見て思い出した。

だから、ひょっとするときっかけがあれば

思い出せるのかもしれない。

そのことを2人に伝えると、

「なるほど…それはあるかもね。」


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