私はそれを見るたびに貴方を思い出すでしょう
「私の名前は?」

「あぁ…」

緑はそう言うと、顔を少し赤らめてこう言った。

「…透愛(くりあ)。」

「くりあ?どんな字?」

「透明の『透』に『愛』で、透愛。」

私の目を見て真剣な表情で緑は言った。

「すごい…素敵な名前。ありがとう。」

そう言って、先ほどの緑と同じように笑った。

緑は私の顔を見て、

自らの頬を赤く染めた。

そして、目をそらして私に聞こえない声で、こう呟いたのだった。

「…その笑顔、反則。」
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