私はそれを見るたびに貴方を思い出すでしょう
緑からもらったココアを一口飲んだ。

「温かい…」

思わずそう呟いた。それほど温かかったのだ。

でも、まだ寒い。

「クシュン!」

「まだ寒いか?あー、服濡れちゃってるのか…。」

緑はそう言うと、自分の着ていたコートを私に着せた。

「しばらくそれ着てろ。」

「でも、緑は寒くないの?」

「俺はいいんだよ。下に長袖着てるし。」

「…ありがとう。」

緑の優しさに、思わず顔がほころんだ。

「……っ!別にっ、風邪ひかれたら困るし。」

そう言って緑もココアを一口飲んだ。
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