連なる恋心


アリス大絶叫!そして...

「うぇえええぇええ!!!?」
アリスの絶叫が響き渡った。
「うっそお!?」
「そ、そんな驚くことないじゃない!」
「だ、だって!琳夏の片想いが──」
バシッ!私の机ドンにより強制的に黙らされるアリス。
先ほど先輩と付き合う事を伝えてからずっとこの調子だ。なんだよ、失礼な。
「凄い...凄いよ、琳夏ぁぁぁー!」
ヤバイヤバイと飛び跳ねるアリスは、とても嬉しそうだ。ちょっとうるさいけど、なんか嬉しい。アリスという友達を持っててよかったあ。
「ねえっ、七瀬さんっ」
とんっ、と軽く飛びついてきたのは、クラスでも目立ってるちょいギャル美人、葉山美佳さんだ。
シャギーの入ったロングヘアが私の顔にかかった。
「葉山さん。どしたの?」
「聞いたよお!」
「えっ」
「七瀬さん柏木翔太先輩と付き合うんでしょっ!凄いじゃん!やるね~。七瀬さん可愛いからいつか誰かとかなーって思ってたの!」
「あ、ありがとう」
「いーなー。翔太先輩憧れだったんだからねっ!アイツらもだよ」
アイツら、と葉山さんが指さしたのは、ちょいギャル仲間の3人。
田島サキさん、浅野里帆さん、山地陽菜さんだ。特に、と続けた葉山さんは、山地さんの方を指さした。
「あの子はマジファン。」
そして。
怖い顔で私に、「気をつけなよ~?」
と言った。
えっ...私今、脅された!?
アリスも心配そうにこっちを見てる。
「うん...気をつけるね」
震える声で、かろうじてこれだけ返すと、葉山さんはふふっと笑って踵を返して3人のもとへ向かい、いつものように雑談を始めた。葉山さんの顔は見えないけど、山地さんの顔が見えた。怖い顔。怒っているのかな?先輩、人気なんだな──
「ね、琳夏、今のって」
「うん...脅しだよね?」
アリスは、少し納得いかない顔で葉山さんの方をちらりと一瞥し、こっちに視線を戻してニコリと笑った。
「大丈夫大丈夫!今は先輩に集中よ!」
「そう...だねっ」
でも、彼氏は柏木先輩、家にレンがいて、それがみんなにバレたらどうなるだろう。
───大混乱、の三文字が頭に浮かぶ。
ダメだ...
絶対、この秘密、守り通さなくちゃ!
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