連なる恋心


レンが琳夏と遭遇

琳夏の紺色のチャリをこぎながら、いい街だな、としみじみ思う。ペダルをこぐ足にも、自然に力がこもる。グイグイとこぎながら、深呼吸。駅はどこだ...?
スマホをだした俺は、Google大先生に語りかけた。
「柴倉駅ってどこでしょうか。」
『 突き当たりの角を左そして次の角を通り越しその次の角を右へ曲がってください』
ありがとうございます、Google大先生っ!
目的地についた俺は、駅の外をぶらりと歩き回った。なんか、いい匂いするな。メロンパンか?ちょっと食べていきた────
「えぇ!?レン!?何やってんのお!?」
これでもかというほどの大声が聞こえた。
語尾がピンと上がる、聞いたことのある声...
「琳夏!?お前ここで何やってんだよ」
「こっちのセリフよ!!てかそのチャリ私のじゃん!!使わないでよ!!七瀬条約結んだの忘れたのお!?」
「声でけえよお前!!仕方ねえの!!チャリ錆びてたんだよ!!」
「カバーしないのが悪いんでしょ!?てか何やってんのよ!!」
いかん。口論になってしまう。
じゃ、と手を挙げかけたその時。
ビクッと肩を震わせ、顔を赤くする琳夏。
え?
視線の先を見ると、とてもイケメンの男の人。え、琳夏まさか...
「じゃ、じゃあ、そういう事なんで!じゃあ失礼します~」
ててててっとその男の人へ向かって小走りする琳夏。しかし、付き合っているわけではないようだ。なぜならば、琳夏はその男の人の10m程後ろをぴっちりとついて歩いているからだ。
恐らく、好きなのだろう。これが、俺との関係を誤解されたくない理由か!確かにカッコイイ。イケメンだ。
しかし───
ストーカーか!!!!!!
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