連なる恋心

そして、物語は盛り上がる。

琳夏side

⑨

琳夏、柏木翔太と話す

最悪。ホントに最悪。
大好きな片思い相手、柏木翔太先輩を追いかけ始めるところを、アイツ────レンに見られた。
どうしよう...
帰って言い訳しないとね。
えーと、柏木先輩の背中に100円がくっついてて取ろうとしたから。
いや、金に強情な女だと思われるよね。
もう、いいや。あきらめちゃえ！
危ない、柏木先輩を見失うとこだった～！
急いで距離を詰めるため走り出す。
そういえば...レンは、どうしてお父さんがいなくなったんだろう。気にな──わ！
はっと我に帰った時には、尻餅をついていた。いててて...
「大丈夫か？七瀬」
「あ、す、すむ、すみません！」
そう言って差し伸べられた手をみて私はギョッとする。この青の時計は...
するりと、私の髪をなでるそよ風。
「かしっ、柏木先輩っっ!?」
ウッソー！？なんで後ろにいるの!?
追いかけてたはずなのに。
「ごめんな、七瀬。大丈夫か？怪我は？」
「なっないです...」
惚れ惚れするようなイケメンさ！
さきほどの疑問は吹っ飛んだ～！
カッコイイよぉ～！とろけそう。
「行くぞ」
え？
「行くぞっつってんの、ほら学校行くよ」
...夢にまで見てた、先輩との登校。
え、ホントに？
「おい」
付き合ってるみたい...って、キャー♡
盛り上がっていると、先輩に腕をつかまれ、私は駅のホームでドキドキすることになった。先輩、大好き、大大大好きです。
結局、琳夏、とろけました♥