風便り〜大切なあなたへ〜
「次の日、どうしてもお前に会いたくて、お前がいるかもわかんねえのに、会いに行った」
「・・・」
「そしたら、お前泣いてたよな・・そんなお前を見て、すげえ抱きしめてやりたくなった」
「・・大和・・あのね、あの時先生に、大和に関わるなって、危ないから近づくなって言われたの・・」
もう先生とのことは解決したから、話してもいいよね・・?
「・・・」
「だから先生に、守屋くんは辛そうな顔してたって、傷ついた顔してたって、先生なら、守屋くんのこと助けてあげてって言って教室から飛び出した・・」
「真子・・」
「私は、先生が守屋くんのこと心配してくれてると思ってたから、そんなこと言う先生が悲しかった・・」
あの時のことを思い出したら、目の奥が熱くなってきた・・。
私は必死に涙が零れてこないように、我慢した。
「真子・・お前は、俺があいつに救われたと思ってるようだけど、違げえんだよ」
「え?」
「俺はお前に救われたんだよ・・まあ、あいつも、2%くらいはあるけど、残りの98%はお前なんだよ」
そう言うと守屋くんは体勢を変えて、ゆっくり私をベッドに寝かせた。
「も、守屋くん・・?」
「大和だろ」
「・・大和・・」
私が守屋くんの名前を呟くと、守屋くんは私の上に覆いかぶさった。
「お前はいつも、俺の欲しかった言葉をくれる。お前の一つ一つの言葉が、存在が、俺を救ってくれたんだよ」
そう言うと守屋くんは、私の手に、手を重ねた。
ゆっくり守屋くんの顔が近づいてきて、私はそっと目を閉じた。
軽く唇に、柔らかいものが触れると、すぐにそれは離れていった。
「・・・だから、お前が自分のことを大切にしないのが、俺は許せない」
「・・・」
「俺がどんだけお前を好きで、愛してるか、みっちり教え込んでやる。お仕置きなんて生優しいもんじゃないから、覚悟しろよ」
「・・え?」
そう言うと守屋くんは、今度は強引に唇を重ねた。
どんどん激しくなるそれに、私は苦しくなって、胸が熱くなった・・。