風便り〜大切なあなたへ〜





「言っただろ、俺と結婚してほしいって」


「・・っ・・う、ん・・」


「これはその証。あのタンポポで、どうしても指輪を作りたかったんだよ。俺たちの絆だ。」


「・・っ・・」


「学校じゃ指に付けられねえだろ?ネックレスだと、シャツのボタン閉めとけば、ばれねえと思って・・お守りだと思って、肌身離さず持ってろよ」


「・・うんっ・・っ・・」



そう言って守屋くんは、私のおでこに優しいキスを落とした。

私は嬉しくて、また涙が溢れてきた。



「・・真子、俺がお前を幸せにしてやる。どんな事からも守ってやる。だから、ずっと俺のそばにいて、俺を見ててほしい」


「・・うん・・っ・・」


「真子・・俺と結婚してください」



そう言うと守屋くんは、私の顎にそっと手を添えて、俯いていた私の顔を優しく持ち上げた。

私は涙で霞んでよく見えない、優しく微笑んでいる守屋くんを見て、小さく頷いた。



「・・っ・・はいっ・・」



私の返事を聞いて、守屋くんはそっと私に唇を重ねた。

今までで一番、優しいキスだった・・。

そのあと守屋くんは、私を抱きしめてくれた。


辛いことの後には、幸せなことが待ってるって、本当だったんだね・・。

私、こんなに幸せでいいのかな・・?

守屋くんと出逢ってから、毎日が幸せだよ。

辛くて、苦しい事もあったけど、そんなの気にならないくらい、今が幸せ・・。

守屋くん、ありがとう。

こんなに私を幸せにしてくれて・・。

私も守屋くんのこと、幸せにしてあげたい・・。

守屋くんも、私と同じように、幸せを感じてくれてると嬉しいな・・。



「真子・・俺、今、すげえ幸せ」


「・・っ・・うん、私もだよっ・・」


「お前と出逢えてよかった・・俺を好きになってくれて、ありがとな」


「っ・・うん・・」



こんな時に、そんなこと言わないで・・。

涙が止まらなくなっちゃうよ・・。



「真子・・愛してる」





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