風便り〜大切なあなたへ〜





「いいんだよ。俺は、お前と早く一緒に暮らしてえんだよ。それに、うちの会社継ぐっつっても、まだまだ先の話だしな」


「・・・」


「だったら、進学しないで、金貯めた方が、進学しなかった分、お前と早く一緒になれるだろ?」


「大和・・」



守屋くん・・。

私も早く、守屋くんと一緒暮らしたいよ・・。

・・・だけど、やっぱりちょっと不安だよ・・。

守屋くんは、本当の本当に、それでいいの・・?

私は守屋くんが、そんな簡単に決められるほど、何もしてあげれてないよ・・?



「守屋くん・・本気なの?・・本当の本当にそれでいいの・・?」


「あたりまえだろ。俺、こんなろくでもねえやつだけど、お前のおかげで、今の俺があんだよ。俺は、嘘は言わねえ。お前にだけは、いつでも本気だ」



そう優しく微笑んで、守屋くんは私を抱き寄せてくれた。

私はまた胸が熱くなって、守屋くんの胸の中で涙を流した。



「また泣くのかよ」


「・・っ・・だって、守屋くっ・・」


「大和だろ」



頭の上から小さく笑った後に、優しい声が届いて、私はまた涙を流した。



「大和っ・・あり、がとう・・」



私がそう言うと、守屋くんはぎゅっと私を抱き締めてくれた。



「真子、いつまでも一緒にいような」


「っ・・うん・・」


「真子、愛してる」


「うん、私もっ・・大和を、愛してる・・ずっと、ずっと・・大和だけを・・愛してる・・っ・・」


「・・・真子、顔あげろ」


「・・・」



守屋くんにそう言われ、私はゆっくりと顔をあげた。

私が顔を上げると、守屋くんは優しく微笑んでくれた。



「顔真っ赤」



「・・・」



そう言って、守屋くんはそっと私の唇に触れた。

ほんの一瞬だったけど、私の心は、また幸せに包まれた。


そのあと、守屋くんは、家につくまで何も話さなかった。

私も何も喋らなかった。

なにも話さなくても、私には心地のいい空間だった。

守屋くんは私の家につくまで、ずっと私の手を握ってくれていた。

守屋くんの手から、温かい気持ちが伝わってきたよ・・。

私の気持ちも、守屋くんに伝わってくれてたら嬉しいな・・。





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