風便り〜大切なあなたへ〜
「ほら、来いよ」
そう言って大和は、足を止めて、両手を広げた。
私は大和を振り返って、首を横に振った。
誰も周りにいないからって、そんなことできないよ・・。
恥ずかしいよ・・。
部屋で大和と二人だけの時は、私、大和に甘えちゃってるけど・・。
ここ、外だよ・・?
「しょうがねえな」
そう言うと大和は、私の元まで来ると、優しく私を抱き寄せて、頭も優しく撫でてくれた。
「大和・・」
「泣き虫なのは変わんねえな」
「うん・・っ・・ごめんね」
だって、嬉しいんだよ・・。
私、誕生日に、大和が一緒にいてくれるだけで、それだけで嬉しいんだよ・・。
大和の誕生日の時、大和が言っていた意味がわかったよ・・。
真子がいてくれるだけで、他には何もいらないって・・。
私も、大和が一緒にいてくれるだけで、それだけで幸せだよ・・。
「私っ・・大和と、一緒に・・いれる、だけで・・幸せだよ・・?」
「じゃあ誕生日は俺に任せろよ。最高の誕生日にしてやる」
「うん・・」
そう返事をして、私は大和をぎゅっと抱き締めた。
私はいつも、優柔不断で、何も決められないけど、大和はいつも、頼もしい・・。
私、大和のそういうところ、大好きだよ。
私を引っ張っていってくれる・・。
私には、大和みたいな人が合ってるんだね・・。
神様、ありがとう。
私と大和を出逢わせてくれて・・。
私は指輪をぎゅっとにぎりしめて、目を閉じた。
大和、大好き・・。