風便り〜大切なあなたへ〜
「へえ、ここがお前の部屋か」
大和は私の部屋に入るなり、部屋を見渡した。
そんなにじっくり見られると、なんだか恥ずかしい・・。
「あんまり見ないで・・恥ずかしいよ」
「あ?何言ってんだよ、お前のことなら隅々まで見てんだから、部屋くらいなんともねえだろ」
そう言って大和は、私を抱き寄せた。
だから、なんで大和はそういうこと、平気な顔して言うの・・?
私は赤くなった顔を隠すように、大和の胸に顔をうずめた。
「恥ずかしこと、言わないで・・」
「真子」
大和はぎゅっと私を抱きしめた。
自分の部屋に、大和がいるってだけで、こんなにもドキドキなのに、こんな風に抱きしめられると、私、どうにかなっちゃいそうだよ・・。
「大和・・」
私は大和を見上げて、目を閉じた。
大和に触れてほしい・・。
大和、大好き・・。
そっと唇に、触れた時だった。
「お姉ちゃん!お菓子持ってきたよ!」
そう言って、勢いよくドアが開いた。
私と大和はすぐに離れた。
結依を見ると、お茶とお菓子の入ったお盆を持っていた。
「あれー?なんか怪しいことしてた?」
私と大和の顔を見て、結依はニヤニヤしながら言った。
私は自分でも顔が熱くなっていくのがわかった。
大和を見ると、大和も顔を真っ赤に染めていた。
「二人とも顔真っ赤ー!何してたの?教えて!」
言えるわけないよ・・。
・・でも、見られてなくてよかった。
小学生は怖い。
好奇心旺盛で、何でも知りたがるお年頃なんだね・・。
「とりあえず座りなよ!」
そう言うと結依は、私と大和をテーブルの前に座らせて、なぜか結依は、大和の隣に座った。
私も大和の隣に座っているから、なんだか変な図になっている。
「俺も座る」
そう言って、いつの間にかいた祐太も私と大和の間に無理やり座った。
・・なにこれ?
絶対おかしいよ・・。