嘘つきの世界で、たったひとつの希望。
教室に入れば正輝の机の周りには沢山の人がいた。
それは先週の金曜日に見た時と同じ光景だった。
「うーそつき!うーそつき!」
「一ノ瀬は嘘つきだー!」
騒ぎ立てる男子や女子。
その醜い姿を見ながらゆっくりと近付く。
人を掻き分けて、漸く自分の席に辿り着いた。
鞄を机に置けば皆の視線が私に突き刺さっていた。
「なに?」
「いつも一ノ瀬と一緒に来るのに何でバラバラに来たんだよ!」
「やっぱりお前も一ノ瀬の事を嫌いになったんじゃね?」
好き勝手に言う男子たち。
それを鼻で笑うと皆の眉間にシワが寄ってきた。
「何が可笑しいんだよ!!」
「だってくだらないから」
笑顔のまま言えば、正輝を囲んでいた人たちは私を睨んできた。
「和葉、俺の事はいいから放って置け。
……俺に関わるな……」
キミの冷たい目が向けられたけど。
全然、怖くないんだ。
だって正輝は私を守ろうとしてくれているだけだから。
「別に私はキミを助けようと思ってやっている訳じゃない」
「……」
「自分の意思で行動をしているの」
そう言ってキミから目を逸らす。
クラスメートの顔をグルッと見渡せば何人かと目が合う。
その瞬間に入ってくる心の声。
「(何でアイツの味方なんかするんだよ!要領悪いな)」
「(和葉ちゃんも頭悪いなー大勢の味方になればいいのに)」
有紗ちゃんと由香里ちゃんの心の声も聞こえてくる。
でも哀しいとは思わない。
最初から分かっていた事だから。
人間には裏の顔があるって事は。
それは先週の金曜日に見た時と同じ光景だった。
「うーそつき!うーそつき!」
「一ノ瀬は嘘つきだー!」
騒ぎ立てる男子や女子。
その醜い姿を見ながらゆっくりと近付く。
人を掻き分けて、漸く自分の席に辿り着いた。
鞄を机に置けば皆の視線が私に突き刺さっていた。
「なに?」
「いつも一ノ瀬と一緒に来るのに何でバラバラに来たんだよ!」
「やっぱりお前も一ノ瀬の事を嫌いになったんじゃね?」
好き勝手に言う男子たち。
それを鼻で笑うと皆の眉間にシワが寄ってきた。
「何が可笑しいんだよ!!」
「だってくだらないから」
笑顔のまま言えば、正輝を囲んでいた人たちは私を睨んできた。
「和葉、俺の事はいいから放って置け。
……俺に関わるな……」
キミの冷たい目が向けられたけど。
全然、怖くないんだ。
だって正輝は私を守ろうとしてくれているだけだから。
「別に私はキミを助けようと思ってやっている訳じゃない」
「……」
「自分の意思で行動をしているの」
そう言ってキミから目を逸らす。
クラスメートの顔をグルッと見渡せば何人かと目が合う。
その瞬間に入ってくる心の声。
「(何でアイツの味方なんかするんだよ!要領悪いな)」
「(和葉ちゃんも頭悪いなー大勢の味方になればいいのに)」
有紗ちゃんと由香里ちゃんの心の声も聞こえてくる。
でも哀しいとは思わない。
最初から分かっていた事だから。
人間には裏の顔があるって事は。