嘘つきの世界で、たったひとつの希望。
「えっと、とりあえず自己紹介をしようか。
俺は正輝クンのカウンセラーの藤堂 啓太(とうどう けいた)」
ニカッと笑う先生に続いて私も口を開く。
「私は……」
「白石 和葉ちゃんだよね?」
「え?」
いきなり出てきた名前に目を見開く。
どうして先生が私の名前を知っているのだろうか。
そう思っていれば先生の意味深な笑みが向けられた。
「正輝クンから色々聞いているから知ってるんだ」
「あっ……そうなんですか」
色々という言葉は気になったけれど特に気にしなかった。
頷いていればキミはバツが悪そうに呟いた。
「ごめん、この人には言っちゃったんだ。
……アンタの心の声の事……」
「えっ……」
別に怒るなんて感情はなかった。
ただ純粋に驚いたんだ。
先生の前で私の事をそんなに詳しく喋っているなんて思ってもいなかったから。
「……本当にごめん」
喋らない私を怒っていると勘違いしたのかキミは眉を下げながら私を見ていた。
「ううん全然いいよ!
だって正輝がそれだけ信頼している人だって事でしょ?
だったら私も先生の事を信頼する」
誰かに心の声の事を知られるのは怖かった。
だけど、正輝が信頼をしている先生なら、大丈夫だって、心がそう言っている様な気がした。
「和葉……ありがとう……」
「お礼を言う所じゃないでしょ?」
「うるさい」
クスリと笑えば真っ赤な顔でそっぽを向くキミ。
そんなキミを見て笑っていれば、またもや視線が私たちに突き刺さる。
「俺って空気かな?もしかしなくてもお邪魔?」
「そ、そんな事は……」
からかう様に言う先生に私はブンブンと両手を振った。
「冗談だって!そんなに真っ赤になって否定をしなくても」
ケラケラと笑う先生。
私は恥ずかしさで少し俯いてしまった。
俺は正輝クンのカウンセラーの藤堂 啓太(とうどう けいた)」
ニカッと笑う先生に続いて私も口を開く。
「私は……」
「白石 和葉ちゃんだよね?」
「え?」
いきなり出てきた名前に目を見開く。
どうして先生が私の名前を知っているのだろうか。
そう思っていれば先生の意味深な笑みが向けられた。
「正輝クンから色々聞いているから知ってるんだ」
「あっ……そうなんですか」
色々という言葉は気になったけれど特に気にしなかった。
頷いていればキミはバツが悪そうに呟いた。
「ごめん、この人には言っちゃったんだ。
……アンタの心の声の事……」
「えっ……」
別に怒るなんて感情はなかった。
ただ純粋に驚いたんだ。
先生の前で私の事をそんなに詳しく喋っているなんて思ってもいなかったから。
「……本当にごめん」
喋らない私を怒っていると勘違いしたのかキミは眉を下げながら私を見ていた。
「ううん全然いいよ!
だって正輝がそれだけ信頼している人だって事でしょ?
だったら私も先生の事を信頼する」
誰かに心の声の事を知られるのは怖かった。
だけど、正輝が信頼をしている先生なら、大丈夫だって、心がそう言っている様な気がした。
「和葉……ありがとう……」
「お礼を言う所じゃないでしょ?」
「うるさい」
クスリと笑えば真っ赤な顔でそっぽを向くキミ。
そんなキミを見て笑っていれば、またもや視線が私たちに突き刺さる。
「俺って空気かな?もしかしなくてもお邪魔?」
「そ、そんな事は……」
からかう様に言う先生に私はブンブンと両手を振った。
「冗談だって!そんなに真っ赤になって否定をしなくても」
ケラケラと笑う先生。
私は恥ずかしさで少し俯いてしまった。