嘘つきの世界で、たったひとつの希望。
「正輝クンと出逢ってから数年が経つけど……。
始めの方は全く笑わない子だったんだ」
「笑わない……?」
その言葉に心当たりがない訳ではなかった。
正輝が転校して来たあの日、キミの顔に笑顔はなかった。
無表情で、何も映してないかの様な瞳は今でも鮮明に覚えている。
でもキミは私の前では笑ってくれていた。
柔らかい笑顔で、真っ直ぐな瞳で。
だから特には気にしていなかったけれど。
やっぱりキミは1人で苦しんでいたんだって実感する。
「そう、周りに壁を作るタイプの子だった。
今も殆どの人にはそうだけど……」
先生はチラリと私を見ると嬉しそうに頬を緩めたんだ。
「今の学校に転校をしてから、あの子は確実に変わった。
それは君のお蔭だね」
「いえ私は何も……」
「君と一緒にいる時の正輝クンは本当に人が違うみたいだよ。
凄く楽しそうに笑って、お互いに信頼をしているんだって分かる」
大袈裟な気もするけれど嬉しくない訳がなかった。
私の前で正輝が素でいられるのならそれでいいんだ。
「……はい、正輝は希望ですから」
「え……」
驚いた顔をする先生に笑顔を返して話し続ける。
「嘘つきだらけの世界に現れたひとつの大きな光。
……それが正輝なんです」
にっと笑えば先生は大きく笑った。
何か可笑しい事を言っただろうか?
驚いていれば優しい笑顔が私に向けられた。
「君たちが巡り合えたのは運命の悪戯かもしれないね」
「は、はい?」
ロマンチックな事を言われて、思わず聞き返してしまう。
「だって、和葉ちゃんみたいな子や正輝クンみたいな子に出逢う機会なんてそうそうないのに。
この広い世界で2人は出逢って、同じ時間を過ごしている。
これって凄い奇跡じゃない?」
パチリとウインクをされ顔を紅めていれば先生は幸せそうな顔で私を見ていた。
始めの方は全く笑わない子だったんだ」
「笑わない……?」
その言葉に心当たりがない訳ではなかった。
正輝が転校して来たあの日、キミの顔に笑顔はなかった。
無表情で、何も映してないかの様な瞳は今でも鮮明に覚えている。
でもキミは私の前では笑ってくれていた。
柔らかい笑顔で、真っ直ぐな瞳で。
だから特には気にしていなかったけれど。
やっぱりキミは1人で苦しんでいたんだって実感する。
「そう、周りに壁を作るタイプの子だった。
今も殆どの人にはそうだけど……」
先生はチラリと私を見ると嬉しそうに頬を緩めたんだ。
「今の学校に転校をしてから、あの子は確実に変わった。
それは君のお蔭だね」
「いえ私は何も……」
「君と一緒にいる時の正輝クンは本当に人が違うみたいだよ。
凄く楽しそうに笑って、お互いに信頼をしているんだって分かる」
大袈裟な気もするけれど嬉しくない訳がなかった。
私の前で正輝が素でいられるのならそれでいいんだ。
「……はい、正輝は希望ですから」
「え……」
驚いた顔をする先生に笑顔を返して話し続ける。
「嘘つきだらけの世界に現れたひとつの大きな光。
……それが正輝なんです」
にっと笑えば先生は大きく笑った。
何か可笑しい事を言っただろうか?
驚いていれば優しい笑顔が私に向けられた。
「君たちが巡り合えたのは運命の悪戯かもしれないね」
「は、はい?」
ロマンチックな事を言われて、思わず聞き返してしまう。
「だって、和葉ちゃんみたいな子や正輝クンみたいな子に出逢う機会なんてそうそうないのに。
この広い世界で2人は出逢って、同じ時間を過ごしている。
これって凄い奇跡じゃない?」
パチリとウインクをされ顔を紅めていれば先生は幸せそうな顔で私を見ていた。