嘘つきの世界で、たったひとつの希望。
そりゃあ、全くの無傷って事はないけれど。
泣いたり、喚いたり、意識を失ったり。
そういった事を予想していたのに。
何ひとつ、私を襲ってこなかった。
多分、正輝の事で、それ以上に心がやられたんだと思う。
十分に泣いた。
十分に喚いた。
意識を失う事も出来ないくらいに苦しんだ。
だからもう。
“化け物”だって言われたって。
私の心は平気なんだ。
「っつーか……山本はどうなんだよ!
お前だって思ってるんだろ?化け物だって!!
気持ち悪いって!!」
「そうだそうだ!
自分だけいい子ぶるなよ!」
加藤くんや他の人が騒ぎ立てるけれど。
山本くんは静かにタメ息を吐いていた。
対称的な感情のぶつかり合いを見守っていれば、山本くんの視線がこっちに向いた。
「俺は……思っていないよ、そんな事」
真っ直ぐな瞳が私の目を捕らえた。
何かを喋ろうと口を開きかけたけど、言葉が見つからなかった。
だって、山本くんの声と頭の中の声がシンクロをしたから。
「だって、白石は俺の苦しみを理解してくれた救世主だから。
(だって、白石は俺の苦しみを理解してくれた救世主だから)」
思わず涙が零れそうになった。
だって正輝や先生以外では初めてだったから。
綺麗な心に触れたのは。
ぎゅっと唇を噛みしめていないと今にも涙が出そうだった。
でも、泣きたくはなかった。
クラスメートの前では絶対に。
そう思っていれば加藤くんの怒鳴り声が響いた。
「何が救世主だ!
白石は化け物で、お前は嘘つきなくせによ!」
「そ、そうだ!化け物!」
「嘘つき!!」
こんな時でも人間は愚かだった。
「(今、加藤に逆らったら絶対に殺される)」
「(とりあえず加藤くんに味方をしよう!!)」
皆、結局は自分が1番可愛いんだって。
改めて実感した。
化け物と嘘つき。
2つのコールの中で私は小さくタメ息を吐いた。
泣いたり、喚いたり、意識を失ったり。
そういった事を予想していたのに。
何ひとつ、私を襲ってこなかった。
多分、正輝の事で、それ以上に心がやられたんだと思う。
十分に泣いた。
十分に喚いた。
意識を失う事も出来ないくらいに苦しんだ。
だからもう。
“化け物”だって言われたって。
私の心は平気なんだ。
「っつーか……山本はどうなんだよ!
お前だって思ってるんだろ?化け物だって!!
気持ち悪いって!!」
「そうだそうだ!
自分だけいい子ぶるなよ!」
加藤くんや他の人が騒ぎ立てるけれど。
山本くんは静かにタメ息を吐いていた。
対称的な感情のぶつかり合いを見守っていれば、山本くんの視線がこっちに向いた。
「俺は……思っていないよ、そんな事」
真っ直ぐな瞳が私の目を捕らえた。
何かを喋ろうと口を開きかけたけど、言葉が見つからなかった。
だって、山本くんの声と頭の中の声がシンクロをしたから。
「だって、白石は俺の苦しみを理解してくれた救世主だから。
(だって、白石は俺の苦しみを理解してくれた救世主だから)」
思わず涙が零れそうになった。
だって正輝や先生以外では初めてだったから。
綺麗な心に触れたのは。
ぎゅっと唇を噛みしめていないと今にも涙が出そうだった。
でも、泣きたくはなかった。
クラスメートの前では絶対に。
そう思っていれば加藤くんの怒鳴り声が響いた。
「何が救世主だ!
白石は化け物で、お前は嘘つきなくせによ!」
「そ、そうだ!化け物!」
「嘘つき!!」
こんな時でも人間は愚かだった。
「(今、加藤に逆らったら絶対に殺される)」
「(とりあえず加藤くんに味方をしよう!!)」
皆、結局は自分が1番可愛いんだって。
改めて実感した。
化け物と嘘つき。
2つのコールの中で私は小さくタメ息を吐いた。