嘘つきの世界で、たったひとつの希望。
「和葉の事は諦めてよ、この子は俺の」
「いやいや!付き合ってないなら俺にも勝機あるっしょ?」
「ない」
「いやいや!お前が決めるなよ」
正輝と山本くんの会話を黙って聞く事しか出来ない。
山本くんはどこまで本気かは分からないけれど。
キミの言葉は全部が本物だから。
凄く恥ずかしいんだ。
「……ねえ、アンタ何紅くなってるの?
もしかして、この人に言い寄られて嬉しがってる訳?」
「まじ?脈あり?」
不機嫌そうな正輝と冗談っぽく笑う山本くん。
「違うって!ってかからかわないでよ!」
恋愛経験が多い訳じゃない。
寧ろ誰かを好きになった事も初めてで。
いっぱいいっぱいなんだ。
「……白石!」
「へ?」
「俺お前の事、本気で好きだ!」
廊下のど真ん中で、いきなりの告白。
頬に熱が集まってくるのを感じていれば。
隣にいた正輝が怒っているのが分かる。
だって繋いでいた手が痛いくらいに握りしめられるから。
「アンタいい加減に……」
「……ごめん!」
正輝の言葉を遮って私は山本くんに返事を返す。
本気の告白。
だから私も本気で答えたかったんだ。
山本くんは一瞬だけ眉を下げるけれど、すぐにいつもの笑顔へと戻る。
「知ってるよ!白石は誰かさんにベタ惚れだからね!」
「……誰かさんって誰?」
「……」
「……」
正輝の言葉に私も山本くんも黙り込んでしまう。
頭を抱える私に山本くんも同情してくれた。
……知らなかったんだ。
山本くんだって知っていたのに。
正輝だけは分かっていないみたいだけど。
それでもこうやって一緒にいられる事が幸せだった。
初めて、心を許せる友達も出来て。
こうして一緒に過ごせて、凄く嬉しいんだ。
「いやいや!付き合ってないなら俺にも勝機あるっしょ?」
「ない」
「いやいや!お前が決めるなよ」
正輝と山本くんの会話を黙って聞く事しか出来ない。
山本くんはどこまで本気かは分からないけれど。
キミの言葉は全部が本物だから。
凄く恥ずかしいんだ。
「……ねえ、アンタ何紅くなってるの?
もしかして、この人に言い寄られて嬉しがってる訳?」
「まじ?脈あり?」
不機嫌そうな正輝と冗談っぽく笑う山本くん。
「違うって!ってかからかわないでよ!」
恋愛経験が多い訳じゃない。
寧ろ誰かを好きになった事も初めてで。
いっぱいいっぱいなんだ。
「……白石!」
「へ?」
「俺お前の事、本気で好きだ!」
廊下のど真ん中で、いきなりの告白。
頬に熱が集まってくるのを感じていれば。
隣にいた正輝が怒っているのが分かる。
だって繋いでいた手が痛いくらいに握りしめられるから。
「アンタいい加減に……」
「……ごめん!」
正輝の言葉を遮って私は山本くんに返事を返す。
本気の告白。
だから私も本気で答えたかったんだ。
山本くんは一瞬だけ眉を下げるけれど、すぐにいつもの笑顔へと戻る。
「知ってるよ!白石は誰かさんにベタ惚れだからね!」
「……誰かさんって誰?」
「……」
「……」
正輝の言葉に私も山本くんも黙り込んでしまう。
頭を抱える私に山本くんも同情してくれた。
……知らなかったんだ。
山本くんだって知っていたのに。
正輝だけは分かっていないみたいだけど。
それでもこうやって一緒にいられる事が幸せだった。
初めて、心を許せる友達も出来て。
こうして一緒に過ごせて、凄く嬉しいんだ。