嘘つきの世界で、たったひとつの希望。
「和葉!」
「お、お兄ちゃん!?」
手を握り合っていれば、いきなり音を立てて開いた扉。
慌てて私たちは手を離したから見えていないと思うけれど。
心臓に悪いよ、そう思いながらも心配そうに駆け寄ってくるお兄ちゃんを呆然と見つめる。
「心配したんだぞ!」
「ご、ごめんなさい」
怖い顔をするお兄ちゃんに謝れば大きな手のひらでワシャワシャと頭を撫でられた。
仕事帰りなのかスーツ姿のお兄ちゃん。
何故ここにいるのだろうか?
そう思っていれば正輝が説明をしてくれる。
「さっき先生がアンタの家に電話したみたいだけど誰も出なくて。
携帯に掛けて1番最初に出たのがお兄さんらしい」
「あ、そうなんだ……」
お兄ちゃんに迷惑を掛けてしまった。
そう思い俯いていれば更に強く頭を撫で回される。
「ったく、何ショボくれているんだ。
お前の事だから迷惑とでも思っているんだろうけど、俺はそんな事1ミリも思っていないからな」
「お兄ちゃん……」
「分かったらささと帰るぞ!」
「……うん」
小さく頷けばお兄ちゃんも笑ってくれる。
本当にお兄ちゃんはいい人で、私には勿体ないくらいだ。
1人で微笑んでいればお兄ちゃんは正輝に話し掛けていた。
「えっと……君は?」
「一ノ瀬 正輝です、和葉とは同じクラスです」
「一ノ瀬……?」
コテンと首を傾げるお兄ちゃん。
不思議に思って聞けば会社の同期に同じ苗字の人がいるとかなんとか言っていた。
でもすぐにいつものお兄ちゃんに戻って笑顔を浮かべていた。
「俺は白石 和翔です、和葉の兄貴。
これからも和葉の事を宜しくな、一ノ瀬くん」
「はい」
2人の自己紹介を終えた所で、私たちは3人で保健室を出た。
「お、お兄ちゃん!?」
手を握り合っていれば、いきなり音を立てて開いた扉。
慌てて私たちは手を離したから見えていないと思うけれど。
心臓に悪いよ、そう思いながらも心配そうに駆け寄ってくるお兄ちゃんを呆然と見つめる。
「心配したんだぞ!」
「ご、ごめんなさい」
怖い顔をするお兄ちゃんに謝れば大きな手のひらでワシャワシャと頭を撫でられた。
仕事帰りなのかスーツ姿のお兄ちゃん。
何故ここにいるのだろうか?
そう思っていれば正輝が説明をしてくれる。
「さっき先生がアンタの家に電話したみたいだけど誰も出なくて。
携帯に掛けて1番最初に出たのがお兄さんらしい」
「あ、そうなんだ……」
お兄ちゃんに迷惑を掛けてしまった。
そう思い俯いていれば更に強く頭を撫で回される。
「ったく、何ショボくれているんだ。
お前の事だから迷惑とでも思っているんだろうけど、俺はそんな事1ミリも思っていないからな」
「お兄ちゃん……」
「分かったらささと帰るぞ!」
「……うん」
小さく頷けばお兄ちゃんも笑ってくれる。
本当にお兄ちゃんはいい人で、私には勿体ないくらいだ。
1人で微笑んでいればお兄ちゃんは正輝に話し掛けていた。
「えっと……君は?」
「一ノ瀬 正輝です、和葉とは同じクラスです」
「一ノ瀬……?」
コテンと首を傾げるお兄ちゃん。
不思議に思って聞けば会社の同期に同じ苗字の人がいるとかなんとか言っていた。
でもすぐにいつものお兄ちゃんに戻って笑顔を浮かべていた。
「俺は白石 和翔です、和葉の兄貴。
これからも和葉の事を宜しくな、一ノ瀬くん」
「はい」
2人の自己紹介を終えた所で、私たちは3人で保健室を出た。