嘘つきの世界で、たったひとつの希望。
「乗って行きなよ、一ノ瀬くん」
「そうだよ!一緒に帰ろうよ!」
私とお兄ちゃんは車から正輝に声を掛けるけれど。
彼は頑なに頷かなかった。
「大丈夫です。家近いんで。
ありがとうございます」
そう言って頭を下げる正輝。
遠慮深いというかなんというか。
でもそんなキミもキミらしくて。
心が温かくなるんだけど。
「……分かった。じゃあ気を付けてな。行くぞ和葉」
「……うん。
じゃあね正輝!また明日!」
ブンブンと大袈裟に手を振る。
まるで一生のお別れみたいだ。
そんな私を見ながら軽くタメ息を吐くキミ。
でも顔は笑顔だった。
“しっし”と手を動かすと『またね』と笑う。
キミの笑顔が眩しくて。
私は目を逸らしそうになるけれど。
いつまでも見ていたくて。
キミの姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
「そうだよ!一緒に帰ろうよ!」
私とお兄ちゃんは車から正輝に声を掛けるけれど。
彼は頑なに頷かなかった。
「大丈夫です。家近いんで。
ありがとうございます」
そう言って頭を下げる正輝。
遠慮深いというかなんというか。
でもそんなキミもキミらしくて。
心が温かくなるんだけど。
「……分かった。じゃあ気を付けてな。行くぞ和葉」
「……うん。
じゃあね正輝!また明日!」
ブンブンと大袈裟に手を振る。
まるで一生のお別れみたいだ。
そんな私を見ながら軽くタメ息を吐くキミ。
でも顔は笑顔だった。
“しっし”と手を動かすと『またね』と笑う。
キミの笑顔が眩しくて。
私は目を逸らしそうになるけれど。
いつまでも見ていたくて。
キミの姿が見えなくなるまで手を振り続けた。