蒼き華に龍の口付けを
ふと、とある布が視界に入る。その中から隔離、少し離れた所に布が掛けてあった。

「ラウリ、あれは何?」

「布だ。気になったのなら手に取って見てみろ」

私はラウリに言われたとおり、それの近くに行き、手に取った。
白地に蒼い桜と空に向って飛んでいる蒼い龍が描かれているものだ。
他の布は一つしか描かれていなかったけどこっちは二つある……。

「それにするのか?」

「うん。これにする」

もう少し見て、考えようかと思っていのに自然に言葉が出て来た。

「『それ』はお前を選んだのか。分かった、布を貸せ」

「……あ、うん」

行っちゃった……。私は急いで彼を追いかけた。
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