蒼き華に龍の口付けを
ラウリを追いかけて私は二階に来た。この家は割と広い事が布がたゆたう所で分かったけど、ここは狭い。
ラウリは殺風景な部屋にぽつりと置いてある茶箪笥に立っていた。

「付いてきたのか」

少し驚いた顔をしている。これは、来ては駄目だったかもしれない。
私は急いで戻りますと伝え踵を返そうとした。けれど、ラウリは腕を掴み引き止めた。
手加減している様に思えるけどやっぱり力が強い。

「いや、寧ろ来てくれて助かる。教える手間が省けるしな」

「?」

「こっちへ来い」

施されるがままにラウリの側へ行く。箪笥は通常より一回り大きい位で何も変わらない。
これで一体何をするのだろうか?
< 20 / 111 >

この作品をシェア

pagetop