蒼き華に龍の口付けを
「よく見ていろ」

ラウリは箪笥を開けると無造作に布を入れまた箪笥を閉めた。

「え、どうするの?」

問いかけてもラウリは答えてくれない。が、すぐ箪笥を開けた。
先程入れた布を取り出す。

「一階に降りて着ろ」

それは着物となって差し出された。何かのマジック? これは……。

「付喪神だ」

「え?」

知っている。付喪神は人が長く使われた物に命が宿り動き出す。流石、妖の世界。だとしたらあの布団も……。

「あの布団も例外ではない。あれは『一回きりの特別』だ」

「それって……」

「布は気難しい奴“ら”だからな」

ラウリはクスクスと笑う。こう言った人は笑わないと思っていたけど、意外だ。
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